euphoria

音楽と人生と情緒

白い溜息

 

「もう好きじゃないかもしれない」なんて言われたのは生まれて初めてだったかもしれない。普通の人間関係なら、わざわざ口に出さなくていい言葉。この人とは合わないなと思ったらそっと離れていけばいいだけ。ただ、形だけでも『彼氏 / 彼女』という枠の中に自分たちを置いてしまったのならそうはいかない。“別れる”という儀式がいる。別れ話、という単語が羨ましくなった。あれはただの儀式だった。

男の子に振られることも、恋人と別れることも、これが初めての経験というわけではない。でも、あんなに最低な気持ちになったのは初めてだった。喉元まで上がっていったいろいろな言葉を、想像以上に沈んだ気持ちが酷い重力で引き戻す。今自分がとるべき行動は、この部屋から出て行くことでしかないと思うのに、鉛のようなからだが動かない。苦しくて悲しくて悔しかったけど泣けなかった。

 

 

高校二年生のとき、大好きな男の子がいた。仲良くなって三ヶ月くらいが経った頃、彼は学校を辞めることになった。最後の登校日、近くの公園へ連れ出して告白した。彼は「そういう風には見れないけど、出会えてよかったと思ってる」と答えた。とにかく仲は良かったけれど、脈がないことは告白する前から分かっていた。それでも気持ちを伝えたい、という我儘な告白にもらう返答として、「出会えてよかった」という言葉は、この上なく幸せなものだった。学校から公園に向かう道中よりも、告白して振られたあと、公園から学校に戻る道の方が会話が弾んだ。間違いなく、出会ってからあの日までの中でいちばん心が近い状態で話せた。その後は一度だけ手紙のやり取りをして、10年後に同窓会でまた会って話そうね、それまでお互いなんとか生きようね、と約束をした。今でもわたしはその約束を果たす気があるし、もしもどこかで彼と会うことがあれば、あの日の続きのように話し始められると思っている。

 

わたしにとって恋愛とはそういうもので。上に書いた彼とのことがあった約一年後にできた恋人とは昨年の秋まで付き合っていて、その時も「恋人としてはもう見れないけれど人として認めていることは変わらない」と別れた。お陰で別れてからもずっと仲がいい。そのあとは二人ほど好きな人ができて、どちらも向こうにその気がなく全く恋愛には発展しなかったけれど、どちらの人とも現在 “人として” しっかり仲がいい。

性別、年齢、職業問わずわたしには好きな人、尊敬できる人、一緒にいて楽しい人、がたくさんいる。付き合うということは、そのどの人ともまた違う感情で、関係で、あたらしい「ふたり」になっていくということ。普段関わる誰に対するよりも素直に、正直に、まっすぐに向き合っていくこと。

 

 

これがわたしの主義なのに、互いを見つめ合うことも大してできないまま、冒頭に書いたように「もう好きじゃないかもしれない」などと言われてしまったことがひたすらに悔しい。正直、いい彼氏ではなかった、そもそも彼はわたしと向き合う気がなかった、ということも薄々感じてはいるけれど、それでも彼と「ふたり」になることを選んだのはわたしの意思だ。めちゃくちゃ悔しい。別れたからハイ終わり、二度とあなたとわたしの人生は交差しません。そんな人間関係は築きたくなかった。あと、わたしは自己肯定感がかなり高いので、自分はそれなりに魅力のある人間だと思っている。こんな素敵な女の子を振った彼はマジで愚かだと思う。「忙しいから」というよくある言い訳で振られたけれど、それは言い訳で実際のところ別の女の子ができたから振った、なんてパターンだったらマシマシで悔しい。この間D.A.N.のライブに一緒に行ってたお嬢様っぽいあの子ですか?もしあの子と付き合いだしたりしたなら次のD.A.N.の来札は出刃包丁を持って参加する。刺すのはもちろん男の方で、女の子に罪はないので男を刺したのち血塗れの手で抱きしめたい。熱いキスもしたい。

 

と、私怨や妄想はこれくらいにして。改めて、好きな人や好きだった人のこと、そして自分の思想を見つめ直したらかなり元気になってきた。わたしとわたしの愛する人は全員幸せにならなければいけないと心の底から思っています。幸せの形は無限にあるけれど、素敵な恋人と愛し合うこと、それもわたしの幸せの中の大切な一要素だから。だから、各位は素敵な男性がいらっしゃいましたらご紹介のほどよろしくお願い致します。人間的に魅力的な人なら見た目も年も気にしません。わたしが信頼するあなたが信頼する人ならOKです。ね。頼む。ちなみに髪型はセンター分けが好き。韓国アイドルみたいなやつよりは我らがokadadaみたいなやつ。

 

 

 

人生なにごとも経験!あざした!

 

 

https://youtu.be/aef27f4RaaM

 

f:id:amu1o9:20191210155528j:image